パニック障害の方へおすすめの改善方法を3つ紹介! 少しでも良くなれば
パニック発作は、とてつもない程の不安・恐怖が襲いかかり、今すぐに死んでしまうのではないかと本気で思ってしまい、日常生活を困難にします。あの強烈な不安は健常者では感じることはできないでしょう。特に、「また発作が起きたらどうしよう...」予期不安が生じることからますます行動範囲が狭まっていき、日常生活が困難になってしまいます。
安心してください。治すことは可能です。
パニック障害の人の脳は、扁桃体が異常に反応しやすい状態であり、それに伴いストレスホルモンが大量に分泌されます。
つまり我々の目標は「扁桃体が反応しにくい状態」を作り出せば良いのです。
具体案その1「運動習慣」
不安を感じるホルモンを抑制し、幸福感を得るホルモンが分泌されます。
「そんなの一時的な対処法なんじゃないの?」って思ったそこのあなた。
運動を継続することで、扁桃体の暴走反応を抑制する効果があるという研究結果が出ています。
つまり、運動を習慣化することで、発作が起きにくくなるということです、
これは私も身をもって体験しています。
おすすめは軽いランニングです。
河川敷や公園に出向き、そこから2~3km程度ゆっくり走るだけです。
家から走ると、近所の目とかが気になると思いますので、
車や自転車などで、ランニングスポットまで移動すると良いと思います。
これを毎日続けていくと、信じられないくらい効果が出てきます。
いつもだったら発作が起こる場面や考え事をした時でも、気持ち悪さが軽減している感じが分かります。例えるなら、10でパニック発作レベルの不安としたら、3ぐらいに落ち着きます。
近くにスポーツクラブがある方は、ジムで筋トレや水泳などもおすすめです。こちらも30分程度の運動で不安の軽減や幸福感を得ることができます。
とはいえ、パニック障害の方は外に出るのが怖いと感じる方もいらっしゃると思うので、少しずつ少しずつ外に出て散歩するぐらいから初めて見ると良いと思います。
具体案その2「自己暗示・イメージトレーニング」
先ほど運動習慣による改善方法を紹介しましたが、それだけでは根本的な解決には至りません。発作に対する向き合い方・感じ方を変えていかなければ寛解はないと思っています。
突然ですが、脳は正しくありません!
脳は間違ったことを思い込みをして、まだ起きていない未来のことを想像させて私たちを発作や不安に追い込みます。
それを修正させるために、「自己暗示」や「イメージトレーニング」を行なうという訳です。
自己暗示の方法
言葉を発して、自分に言い聞かせることです。紙に書き出しても良いでしょう。
難しく考える必要はありません。気楽にやってください。
言葉は人それぞれ考えれば良いですが、僕が使っている自己暗示の文言の例を載せておきます。ご参考に。
「今の考えは総意ではない」
→発作が起きるとこの先も起こってしまうと想像したり、この先の不安をまるで確定したように思い込んでしまうことに対して。皆さんも経験あると思いますが、不安に思ってたことが(未来では)案外大したことなかったという経験があると思います。
「発作が起きても今まで生きてこれた」
→発作が起きた時は苦しいですが、それでもここまで歩いてきました。つまり、この先発作が起きようが歩いて行けるということです。
「発作のこと考えてるのせいぜい10分」
→日常生活の中で、不意に発作のことを思い出したり、強烈な不安を感じたりすることがあると思います。その度に気を病みますが、良く良く考えてみると1日に内に発作のこと考えている時間凝縮したら10~30分くらいなんじゃないかなと思ったりしました。つまり、(発作が起きつつも)普通に好きなことしたりして過ごせば良いじゃんってメッセージです。
他にも色々ありますが、あれこれやるより、2つ3つくらいをしっかりやる方が効果あると思います。受験勉強で色々な参考書に手を出して結局身につかないみたいな感じです。
次に、イメージトレーニング です。
(これ入れたら3つじゃないじゃんって思ったけど大切だから入れときました笑)
目的は「発作が起きても大丈夫だよ」と自分の脳に覚えてもらうことです。
イメージトレーニングの方法
部屋などの落ち着ける場所で、目を閉じます。
(過去に)自分が発作になった時のことを思いだします。
それが、数分したらだんだん落ち着いてきたことを思い出します。
次に、(未来で)自分が発作になった姿を想像します。
発作の苦しみを想像します。
しかし、時間が過ぎてだんだん落ち着いてきたことを想像します。
以上です。
これが事実なんです。未来で発作が起きようが、結局落ち着いた状態に戻れるんです。
それを自分自身に深く理解させるためにイメージトレーニングを行います。
何回もイメージトレーニングを行なっていれば、
予期不安の段階で、「仮に発作になっても数分で元に戻れる。心配することではない」と感じるようになります。
また、未来で楽しく生きている、全然発作にならない(発作が起きても気にしない)自分もイメージトレーニングしてみてください。
具体案その3「メタ認知」
最後となりますが、
発作になりそうな時、さらなる不安が訪れますよね。
「あぁー、発作が来る、嫌だ!」(この先もこうなるのか)
発作が起きそうな時や起きた時に、することはただ一つ。
今起きている体の状態を観察することです。
決して、どうにかしようと対処してはいけません。
具体的には、
「みぞおち辺りに不快感がある。頭の中が変な感じがする。吐き気がする」
といったように、今起きている体の状況を実況中継します。
この文章を読んでいる段階では
「はいはい、出ました観察ね。そんなの効果あんのかよ」と思うかもしれません。
人は一度自分で成功体験がないと信用しないので仕方無いかもしれませんが、非常に効果があるので是非やってみて欲しいです。
実際に、これはすぐできることではありません。
普段から意識して練習していないといざ発作になった時にできないです。
そこで普段の練習として、メタ認知を取り入れます。
メタ認知というのは、自分の今の思考状態を客観的に認知するということです。
「今、仕事のこと考えてたなぁ」
「今、~のことでイライラしているなぁ」
「(課題やるはずだったのに)芸能人の記事見てたなぁ」
といったように、自分の今の思考状態や行動に気づいて、実況中継します。
声が出せる場であれば、つぶやいてもいいですし、
声に出さないで、感じるだけでも良いです。
観察する時に、自分を斜め上から自分を見下ろす感じで行うと客観性が向上します。(イチローやタモリさんも実際に行なっています)
メタ認知は思考のループを抜け出すのに役に立ちますし、マインドワンダリングといった過去や未来にあれこれ考えを巡らす状態を抜け出すことにも役立ちます。
最後に...
今回パニック障害の方へおすすめの改善方法を3つ簡単に紹介しました。
これらの方法を習慣的に行なっていれば、発作が起きにくくなることを実感すると思います。
起こしたくても起こせない状態です。
どれだけ不安なこと考えようが発作にならない無敵状態にもなれるということです。
それは扁桃体の暴走反応及び強い不安を生じさせる神経回路を縮小し、安心や多幸感を得られる神経回路を強化していくことに起因します。(運動すると気持ちいいよね..)
私から伝えたいのは、実際にこの記事を読んだだけで分かったような気になって、数日後にはまた別の興味を抱いて忘れてるといったことにならないようにして欲しいということです。
本気で良くしたいと思う方は実際に実行しますし、
このままでも良いと思ってる方は恐らく実行しません。
厳しいことを言ってしまいましたが、
パニック障害で苦しんでいる人を少しでも救えたらと思い、今回記事を書かせて頂きました。
今が苦しい状況でも数年、数十年たてば必ず状況は変わります。
つまり、時間が解決するということもありますのでご安心を。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。